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  • 取引先が民事再生した場合 相殺は可能か

第1 相殺とは

1 債権者と債務者が相互に同種債権債務を有する場合に、当事者の一方が、その債権と債務とを対等額消滅させる一方的な意思表示を相殺といいます(民法505)。

2 相殺は債権者にとって、自己の債務を簡易決済する手段であると同時に、自己の債権を回収する手段でもあります(相殺の担保的機能)。

3 民事再生法では、相殺の担保的機能を保護する趣旨から、相殺に適する債権と債務を有する場合には債権届出期間内に限り相殺することができます(民事再生法92条1項前段)
4 相殺の効果
   相殺すれば、再生債権者の再生債務者に対する債権(「自働債権」といいます)と、再生債務者に対する債務(「受動債権」といいます)は対等額で消滅します。
 

第2 民事再生法による相殺権の制限

1 再生債権者の債務負担に関する制限

 (1)再生債権者が再生手続き開始後に再生債務者に対して債務を負担した場合には相殺は禁止されます(再生法93条1項1号)。
 再生手続きにおいて相殺が認められるには、再生手続き開始時において債権債務の双方が存在することを基準としています。再生開始後に債務を取得した場合に相殺を認めると債権者平等の原則に反するので認められません。

(2)再生手続き開始前に再生債務者に債務を負担した場合であっても、再生債務者が支払い不能となった後に、再生債務者の支払い不能を知りながら専ら再生債権と相殺する目的で債務を負担した場合には相殺が禁止されます(再生93条1項2号)。
 債権者平等の趣旨からです。

(3)支払い停止後再生債権者が支払い停止を知って再生債務者に対して債務負担した場合も相殺が禁止されます。
 債権者平等の趣旨からです。

(4)再生手続き申し立て後に、再生債務者が再生手続き開始の申し立てをしたことを知りながら、再生債務者に対して債務を負担した場合にも相殺が禁止されます。
  知りながら債務を負担して相殺することを認めると大原則の債権者平等の趣旨潜脱となるからです。

(5)上記1~4の場合でも下記の場合は例外的に債権者平等の原則を潜脱する恐れがないため相殺が認められます。
 ①相続、合併など法定の原因によって債務を負担したとき(再生93条2項1号)
 ②支払不能、支払停止、再生手続き開始の申し立ての事実をする前に生じた原因によって債務を負担した場合(同2号)
 ③再生手続き開始申し立てあった時より1年以上前に生じた原因によって債務を負担した場合(同3号)。
 
 

2 再生債務者に債務を負担する者の再生債権取得に関する相殺の禁止 

 (1)再生債務者の債務者が再生手続き開始後に他人の再生債権を取得したときは、総裁が禁止される(再生93条の2 1項1号)。
  他人の債権を取得して相殺禁止の潜脱を防止する趣旨です

(2)再生債務者が支払い不能後、支払不能であることを知りながら再生債権を取得したときは相殺が禁止されます(同2号)。
    上記と同趣旨です。

(3)再生債務者の支払い停止後、支払停止をしって再生債権を取得したときも相殺が禁止されます(同3号但書)。

(4)再生手続き開始申し立て後再生債務者が申し立てしたことを知りながら、再生債務者に対して再生債権を取得した場合も相殺が禁止されます(同4号)。
 
(5)ただし、上記1~4の場合でも同様に下記の場合には相殺禁止の例外として相殺可能です(再生93条の2 2項)。
  ①相続、合併など法定の原因によって再生債権を取得したとき(再生93条の2 2項1号)
  ②支払不能、支払停止、再生手続き開始の申し立ての事実をする前に生じた原因によって再生債権を取得した場合(同2号)
  ③再生手続き開始申し立てあった時より1年以上前に生じた原因によって再生債権を取得した場合(同3号)。
      ④再生債務者に対して債務を負担する者と再生債務者との間の契約に基づいて再生債権を取得した場合(同4号)
 

第3 取引先が民事再生申し立てた場合にはいち早く売掛金の回収を図らねばなりません。

その手段として相殺は再生債務者に対する意思表示だけで回収を図ることができ最も迅速な回収手段となります。上記取引先が民事再生を取った場合でも相殺できる場合できない場合をご説明しましたが法律用語が理解しにくい点もございます。一度お問い合わせいただけれ
ば幸いです。

以上

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