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「従業員の雇止めについて」


弁護士 齋藤貴英(東大阪法律事務所・大阪弁護士会所属)


 
 1 「雇止め」とは
    パート,アルバイト,派遣社員,契約社員,嘱託など職場での呼称にかかわらず,1年契
   約,6か月契約など期間の定めのある労働契約のことを有期労働契約といいます。
   この有期労働契約は,使用者が更新を拒否したときは,契約期間の満了により雇用が終了し
   ます。これを「雇止め」といいます。


 2 雇止め法理の法定化(労働契約法19条)
    雇止めについては,労働者保護の観点から,過去の最高裁判例により一定の場合にこれを
   無効とする判例上のルール(雇止め法理)が確立していましたが,平成24年の労働契約法
   改正により,その雇止め法理が内容や適用範囲を変更することなく,労働契約法19条に条
   文化されました。
   
   労働契約法19条は,
    ①反復更新の実態などから,実質的に期間の定めのない契約と変わらないといえる場合
   や,
    ②雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合,雇止めをすることに,客
     観的・合理的な理由がなく,社会通念上相当であると認められないときは、雇止めが認
     められず,従前と同一の労働条件で,有期労働契約が更新されることを定めています。

    したがって,労働契約法19条により雇止めが認められない場合は,当該労働者を従前の
   職場・地位に復帰させさせなければならないほか,労働契約が更新されていることとなって
   いるため,それまでの賃金も支払わなければならないこととなります。


 3 実質的に期間の定めのない契約と変わらないといえる場合
    上記2①を基礎づける事情としては,業務内容が臨時的なものではなく恒常的なものであ
   ること,多数回の更新,長期間の雇用継続,更新時の手続がルーズで形式的なものとなって
   いること,過去に同様の処遇の従業員について雇止めの例がないことなどが挙げられます。


 4 雇用継続の期待に合理性がある場合
    上記2②を基礎づける事情としては,期間の定めのない雇用契約が期間の定めのある雇用
   契約に変更されたこと,多数回の更新,長期間の雇用継続,雇用継続の期待を持たせる言動
   や制度の存在,他に雇止めの事例が存在しないこと,正社員登用試験に不合格となった者も
   継続して雇用されていること,更新時の手続がルーズで形式的なものとなっていること,正
   社員と異ならない職務を担当していることなどが挙げられます。
    一方で,定年後の再雇用であること,恩情や縁故による一時的雇用であること,「学生向
   け」アルバイトであること,国庫補助を受けているがために期間雇用労働者の雇用の長期化
   を避ける必要があり,更新しないことを当初から明示していたこと,操業開始後間がないた
   め必要人員の予測がつかないことなどは,上記2②を否定する事情となります。


 5 客観的・合理的理由と社会通念上の相当性
    上記2の①または②に該当する場合,客観的・合理的理由と社会通念上の相当性がなけれ
   ば,雇止めは認められないこととなります。
    この客観的・合理的理由の程度・内容に関しては,有期雇用の労働者は,契約を反復更新
   された後でも人員整理においては契約の性質上正規従業員に劣後した地位にあると解されて
   います。
    もっとも,正社員より劣後した地位にあるものの,雇用継続期待の合理性の程度が考慮さ
   れ,その期待の合理性が高度であれば,雇止めの合理性のハードルも高くなると解されてい
   ます。

 6 まとめ
    以上から,有期労働契約であっても,当然に更新の拒絶が認められるわけではなく,雇用
   継続の期待に合理性がある場合には,客観的・合理的理由と社会通念上の相当性が必要なた
   め,使用者側は,各要件を満たしているか,慎重に検討していく必要があります。
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